水道水の気になるPH(ペーハー)についてお伝えしていきます。
住んでいる地域や建物によって水道水のPH値が変わってくる場合があります。
こちらのページでは、『水道水の適切なPHの値について』と『自宅の水道水のPH値が実際はどうなのか?』を調べる方法までお伝えしていきます。
毎日飲む水ですから、実際の数値を確認するというのは良い事です。
PH値によって、飲みやすさや感じる味も変わっていきます。
もしもあなたの飲んでいる水道水が理想値から外れてしまっている場合には、適切な対処が出来るようになります。
記事の目次
水道水のPHとはアルカリ性?どのくらいの値が正常なのか?
まずは、PHについて簡単に説明していきます。
PH(ペーハー)値とは、酸性かアルカリ性、または中性等の度合いを示す数値です。
0~14までの数値で現されます。
0が最も強い酸性で14が最も強いアルカリ性になります。
PHの7がちょうど真ん中で中性という扱いになります。
水道水のPH値として正常なのが、『水道水質基準値』で“5.8~8.6”とされています。
東京の水道水のPH値は平成25年度データで年平均7.6(6.8~8.1)と多少アルカリ性によっていますが、おおむね中性と言える範囲になっています。
<参考:東京都水道局HP>
この値は全国平均というわけではなく、地域によって異なります。
飲料水に最適なPH
まず、人間のPHに関してですが、皮膚のPHは4.5~6の弱酸性になっていますが、体内の体液については、PH7.4の弱アルカリ性に傾いています。
飲料水に最適なPHですが、この体液の値に合わせ近付けるのが望ましいと考えられます。
この為、弱アルカリ性の水を飲料用として摂取するのが適しているでしょう。
ただし、コーラ等の炭酸水はPH2.2~となっており、飲み続けても体内のPHが大きく変わる事は無いのでそこまで神経質になる必要もありません。
飲料水の味という視点から見ていくと、PH値の低い酸性の水は酸っぱく感じ、PH値の高いアルカリ性の水は苦味やヌルヌルとした飲み心地があります。
市販されているミネラルウォーター等にはPH値が記載されているのでお好みで選んでみるのも良いです。
植物の水やりに最適なPH
まずは前提として植物によって最適なPHの値というのが変わってきます。
また、水耕栽培と土壌栽培によってもPH値で注意する度合いも違います。
水耕栽培は土壌栽培に比べ、水に当たる機会が多いので、よりPH値に注意深くならなくてはなりません。
家庭の庭等で植物を育てる場合は、ほとんどが土壌栽培ですね。
その場合はそこまで神経質になる必要はありません。
また、雨は空気中の二酸化炭素を吸収するので弱酸性になります。
近年、酸性雨などと騒がれてはいますが、雨は元々弱酸性の性質を持っています。
酸性雨被害のニュースから『植物への水やりが中性でなくてはならない!』
このような意見は的外れです。
酸性雨の場合は、行き過ぎた酸性が食物を枯らしてしまうのが問題となっているだけです。
雨は弱酸性が基本です。そして日本は雨の多い地域ですから、弱酸性の水が降り注いだ土壌も弱酸性寄りになるのが普通です。
それでも多くの植物は普通に育っていますね。
ですから植物の水やりにも特にPH値について神経質になる必要はないと考えられます。
ただし、外来の植物では海外の気候に適した物もあり、アルカリ性寄りの水が合う植物もあるのでケースバイケースではあります。
お風呂やシャワーに最適なPH
まず一般家庭で水道から入れるお風呂やシャワーは自然に中性付近のPHになります。
これはこれで全く問題もありませんし、むしろ日本の水道のPHがある程度近くなっているので優秀だと言えます。
そして、気になるのは温泉のPHです。
実は、強い酸性の温泉から強いアルカリ性の温泉まで様々なのです。
みなさんも体感で入ってみると酸性の温泉は『ヒリヒリする。』事やアルカリ性の温泉は『ヌルヌルする』と感じた事はないでしょうか?
具体的な効能について述べていくと、酸性の温泉は、殺菌作用や肌の表面を柔らかくする作用があります。硬くなってしまった角質に効果的ですね。
対してアルカリ性の温泉は、石鹸のようにヌルヌルしクレンジング剤のように汚れを落とす効果があります。
ただし、どちらも効果が確実にあるというわけではなくて、肌の体質によって合う合わないが出てきます。
ですから、毎日入るお風呂として無難なのが中性に近いPH値が良いです。
その点、水道水から入れる自宅のお風呂やシャワーは優秀だと言えるでしょう。
水道の水のPHを測定する方法
水道のPHは感覚だけではなかなかわからないものです。
そこでPHの値を測定する方法をお知らせします。
まず、簡単でお手頃なのが理科の授業で実験した事がある方がほとんどの『リトマス紙』を使う事!
リトマス試験紙
赤と青の2枚の試験紙をそれぞれ、調べたい水道水の水につけます。
青の紙が赤に変化した場合、この試験紙だとPH4.5~5以下の酸性になります。
対して、赤の紙が青に変化した場合、PH8~8.5以上のアルカリ性と確認できます。
青も赤も変化しない場合は中性付近の値になります。
このように正確な値はわかりませんが、酸性なのか?アルカリ性なのか?
大雑把な判定が出来るのがこのリトマス紙です。
価格も安く手軽に測定出来るので、水道水のPH値を調べたい方にオススメです。
続いて、『もっと正確な値を知りたい!』
そんな方は、家庭用のPH測定器を使いましょう。
デジタルPH計 ペーハー測定器
精度が±0.01PHとかなり高い測定器です。
PH値の他にも、温度も一緒に測定することができます。
コンパクトで持ち運びもしやすいのが特徴。
水道水のPHを測定する以外にも、プールや水槽のPH測定や食品や他の飲料のPH値を調べるのにも幅広く使えます。
PHを正常に保つ方法|水道水は正常に保つ必要ある?
結論から言うと水道水に関して特に何かする必要はありません。
適切な範囲内にPH値が調節されているからです。
飲料用に関しては、PH値がもし異常な数値を示した場合には、お近くの水道局に問い合わせをするのが一番です。
ここで気になるのは、観賞用の魚を飼っている方です。
基本的には水道水で問題ありませんが、酸性かアルカリ性かどちらかに寄り過ぎていた場合には、以下のように薬品を使う方法があります。
PHをどうしても調整したい場合は薬品を使う
薬品には、酸性を中性に近づける物と、反対にアルカリ性を中性に近づける物があります。
それぞれ順番に紹介していきますが、状況に合わせて使いわけていきましょう。
テトラ (Tetra) PH/KHマイナス 250ml (淡水用)
PH値が高い水(アルカリ性)のPHを下げる目的の薬品がこちら。
適量を入れて少し時間を置けばPHの値が下がっていきます。
主に、観賞用の魚の水槽に使用されるものです。
テトラ (Tetra) PH/KHプラス 250ml
こちらは先ほどの項目とは反対に、PH値が低い(酸性)水を高くする薬品です。
適量を使用してください。
水道水のPHが場所によって違うのはなぜ?
水道水の水のPHは、水源地のPHや浄水施設の設備によっても左右されます。
具体的には、水源地の土壌であったり、浄水の際にどの薬品を使うのか?またはその薬品の量によって違いが出てきます。
この為、地域によってPH値がバラバラになってくるのは自然な事です。
また、季節によってもPH値が変わってくるので、特に基準値であれば気にする必要も無いと考えられます。
PHと硬度の関係性
飲料用の水と言えばPH値の他にも硬度もよく注目されますよね。
硬度とは、簡単に説明すると水に含まれているカルシウムとマグネシウムの量を合わせた数値です。
量が多いほど硬度が高く硬い水と表現されます。
ミネラル分が多く味わいも硬く感じます。
対して硬度が低い水は軟水と呼ばれ、飲み心地がまろやかに感じます。
日本の水の場合は全般的に軟水がほとんどです。
日本は国土が狭く地層に水が浸透する時間が短くすぐに海に流れてしまいます。
対してヨーロッパや北米は国土も広く地下に水が長時間浸透します。また大地を形成する土の物質が異なる為、ミネラルの多い硬水が多いです。
ではこの、硬度とPHの関係性はあるのか?
あくまで、硬度はミネラルの量の指標で、PHは酸性、中性、アルカリ性の指標なので直接は関係していません。
ただし、傾向としては、硬水のPHは低い(酸性)傾向にあり、軟水のPHは高い(アルカリ性)物が多いです。
全ての水がこの限りではありませんが、あくまで傾向としてはこうなっています。
まとめ
日本の水道水は前述した通りPH5.8~8.6のあたりで提供されています。
特別な理由が無い限り飲料や生活水としてそのまま使用していて問題ありません。
ただし、ご自宅の水道水がどの程度のPHなのか調べてみるのは良いでしょう。
特に異常な値が出た場合には、対処できますし料理によっても、例えばパスタを作るときは硬水の方が向いている等と色々あります。
ご自宅の水道水が軟水寄りだった場合には、硬水のミネラルウォーターを買って料理にはそちらを使う等と対処の方法がありますね。
まずはPH値を確かめてみてはいかがでしょうか。
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