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高校中退した。その後の進路・人生はどうなる?

「高校中退」というと、何やら大変なことの響きがします。実質問題、高卒や大学中退者よりもはるかに不利な点があるというデータもあります。そうした現実を踏まえて、高校中退するとその後の人生や進路はどうなるか考えてみましょう。

高校中退は高卒よりも不利?

就職を考えてみたとき、高校中退者は中卒よりも就職が大変で、そのほとんどがフリーターになってしまうというデータがあります。

内閣府の2011年の調査によると、

  • 高校中退者の就労率は56.2%
  • 就労している人のうち、7割以上がフリーター・パートとしての雇用形態
  • 中退した後で他の高校に入った人は30.8%
  • 仕事を探している人は13.6%

高校中退して働きたいと思っている人のうち、仕事が見つかっていない人が1割強。お金を稼ぐことができているのが5割強。そのうち、正社員として働けているのは1割そこそこです。つまり、全体としてこの数字を見ると、高校中退した人の中で正社員に慣れた人は1割程度しかいないということがわかります。

パートやフリーターは仕事のうち、と考える高校生は多いかもしれません。ですが、パートやフリーターは社会保険や有休などの手当てが付きません。また、すぐに雇用を解除されてしまっても文句が言えません。組合も保証もないので、またすぐに代わりの人が見つかるからです。

パートやフリーターの時給には上限もあります。ある一定の時給に達してしまうと、それ以上の時給に上がることができません。1日のうちに働ける時間は限られています。24時間×30日で自分が今もらえそうな時給をかけてみてください。それが、今のあなたが不眠不休で24時間30日働いたときの価格です。パートやフリーターでいることを親が困った顔をするのは、この現実を知っているからです。

ちなみに、高校卒業して就職した時の正社員としての就業率は77.9%です。大卒の場合、正社員は82.7%になります。ではなぜ、高校中退者の就職率はこんなに低いのでしょうか。

高校中退ってどんな目で見られるの?

高校中退者は「続かなかった人」という目で見られます。高校を卒業していないと受けられない資格試験もあるため、ありていに言って「使えない人」という目で見られてしまいます。資格試験を受けることができない人は、社内の規定で昇給させるときに「この資格試験が受けられないからこれ以上は昇進できない」という評価になります。

もし、それ以上に昇進させたいと会社が思った場合、会社が中退者の学費を出すケースもありますが、会社によってはそれは「無駄な出費」となります。会社がお金を出して高校を卒業させる手間を考えると、最初から資格試験を受けられる資格のある高卒者を取ったほうが良いからです。

日本の会社はまだまだ「育てて働いてもらう」という終身雇用制のイメージで働いている会社が多いのです。その意識を持っていると、「続かない」というのは非常にリスキーに見えてしまいます。

高校中退をするには、さまざまな事情があることでしょう。ですが、就職の面接などで語られるさまざまな事情を、面接官は信じていません。正直なことを話している人もいるでしょうが、きれいな嘘をつく人もあとを絶たないからです。

高校中退者は「続かない人」「根気がない人」「またすぐ会社を辞めるかもしれない人」というイメージが付きまといます。これが就職にリスクにならないわけはありません。やめてしまうのは簡単なのですが、高校の3年間よりも、これから生きていかなくてはならない年数のほうがずっと多いはずです。

高校は安易に辞めてはいけません。家庭の事情で辞めなければならないのなら、奨学金や転校も踏まえて、しっかりと高校を卒業する前提で学校と相談しなくてはなりません。

それでも辞めなくてはいけないほどの事情なら、ハローワークなどに在学中から相談に訪れておくべきです。ハローワークには面談の記録などが残ります。ハローワークの職員から事情を企業側に説明してもらうことで、高校中退の理由が仕方ないものなら受け入れてもらえる可能性があります。

高卒になるためにはどうしたらいい?

高校は安易に辞めてはいけない、ということがわかった。けれど、今の高校は辞めたい。そういう気持ちがあるのなら、何とかして高校卒業をする方法を考えるほうが良いです。

経済的な理由で高校を辞めざるを得なかった場合や、働かなくてはならなかった場合は公立高校の定時制や通信制へ編入あるいは転入することをおすすめします。

定時制高校や通信制高校は、昼間の時間が自由になります。仕事をしながら通いたい、あるいはほかにやりたいことがあるなどの時に時間を有効活用できます。イメージで言うと、定時制高校は苦学して高卒の資格を取った人、通信制高校は登校拒否などの理由があって全日制の高校に通えなかった人、というイメージになってしまいます。

そのため、高卒で就職したいなら定時制高校、高校を卒業した後大学へ行きたいのなら通信制高校のように目的別に選ぶのもおすすめです。通信制高校は高校卒業後すぐに就職しようとするとマイナスになることが大変多いのです。通信制高校を卒業した後すぐに就職することを希望するなら、ぜひあいている時間でアルバイトをしておきましょう。

特殊なケースとして、病気で入院してしまったために卒業ができなくなり、退学というケースもあります。この場合、もし勉強できる程度の日常生活が送れるのなら、「院内学級」というクラスを設けていて、そこで勉強を教わることができる病院もあります。多くは通信制高校の仕組みを使うところが多いようですが、内容によっては今までの高校に在学したまま単位が取得できる場合もあるかもしれませんので、在籍している学校に問い合わせてみてください。

なお、院内学級で学校のサポートをすることができる、といっても、在籍した学校のまま卒業しようとすることには学校側の全面的な協力が必要です。時々先生が会いに来なくてはならなかったり、テストを持ってきてもらって受けなければならなかったり(試験監督も必要です)など、協力の種類はさまざまです。

高校中退のデメリット

高校中退にメリットはほぼありません。ただし、何らかの特殊な才能を持っている場合は別です。高校を中退して芸能界で有名になっている人や画家になった人、スポーツでオリンピックに出るくらいの才能がないと、高校中退はデメリットになってしまいます。

時間がたくさんあるからそこでやりたいことをやる、というと大変聞こえはいいことです。ですが、そのやりたいことというのは、高校生の間でなければ絶対にできないことでしょうか。単純にあいている時間の多さでは断然大学生のほうが空き時間が多いカリキュラムです。

今通っている高校が合わないのであれば、編入試験などを受けて他の高校に移ることも手段の一つです。現在の日本で、高校中退者を両手を広げて迎え入れてくれるところはありません。超ブラックな企業の中には大歓迎してくれるところもあるかもしれませんが、超ブラックな企業だと働き続けること自体が大変なのではないでしょうか。

オリンピックへ出られるほどの技能、芸能界でやっていけるようなファッションセンスや歌や踊りの能力、人を引き付ける力、そういうものがない限りは安易に高校を中退しないほうが良いのではないかと思います。

万が一中退してしまうのなら、就職したい場合は定時制高校への編入、大学に行きたい場合は通信制高校への編入手続きをすることをおすすめします。

もちろん、高校を中退したからといって暗い未来ばかり、人生終わり、ということではありません。中退したという事実は残りますが、その後自分がどう過ごしていくかで社会からの評価も変わってきます。やりたいことがあるがために高校を中退しようという人は、ぜひ自分の選んだ道で頑張ってほしいと思います。

高校中退でもきちんと取れる単位は取る

今はとりあえずやめることしか考えられない!将来のビジョンなんてない!という人も、今いる学年の単位だけはきちんと取っておくことをおすすめします。具体的には、その年度の終わる3月31日まで在籍し、どんなに低い点数でもいいのでテストを受けておくことです。

全日制の高校に通っている人は、学期の途中で退学してしまうと、その年度の単位は取れません。単位制の高校だと一部は取れるかもしれませんが、多くは1年通して出席し、テストを受けて単位を取るシステムなので2年生の1月に中退したとすると、また他の学校に編入しても2年生からやり直さなくてはならなくなるのです。

高校中退でしばらく好きなことをしていて、やはり大学を受けたい、高校を卒業したいというときが来るかもしれません。その時、一度取った単位は20年間有効という仕組みに助けられる時が来るかもしれないからです。

高卒資格を持っていない人のために、最短で大学入学試験を受けられる資格がとれる「高卒認定試験」があります。これは、一度取ったものの単位は取らなくてよいため、受けなければいけない試験の数を減らすことができます。

通信制高校へもう一度入学して高卒資格を取ろうとする場合、取った単位数によって1年生になるのか、2年生以上になるのかが決まってきます。単位数によっては、もう一度1年生をやらなくてよくなるかもしれません。

ちなみに、高卒認定資格は「高卒」資格がとれるものではありません。大学を受けることを前提に、大学を受けることができる資格を得るための試験です。そのため、大学を受けない場合は高卒認定試験に合格したとしても学歴は「中卒」ですので気を付けてください。

人間関係のデメリット

高校を中退すると、今まで学校で遊んでいた仲間がいなくなります。彼らは学校に通わなければならないので、最初のうちは一緒に遊んでくれても、だんだんと疎遠になっていきます。実は、高校中退者のほとんどが悩むのがこの「孤独感」だと言います。

みんなが学校に行っている時間の暇を持て余し、昼夜逆転してしまう人も少なくありません。相談する人がいなくなってみると、自分がいかに周りに相談できる人がたくさんいたかということにも気づくでしょう。相談できる人は親だけ、インターネットの掲示板だけという状態にもなりがちです。

目的を持たずに中退してしまった場合、その閉塞感が一番の困難です。今まで述べてきたように、高校中退者に対する社会の風当たりは決して暖かいものではありません。加えて閉塞感に襲われてしまうと、引きこもりになってしまう可能性も高いといわれています。

目的を持たずに中退してしまった場合は、気持ちが落ち着いたらまずアルバイトなどをしてみることです。自分でお金を稼げるようになると世の中の見方もまた変わってくることでしょう。アルバイトも一生懸命頑張っていれば、社員登用の道が開けるかもしれません。

中退したからといって、人生が終わるわけではありません。結局高校に戻ることになっても、高卒資格を取ることになっても、人よりも少し回り道をしただけ、と思えばよいのです。その経験は決して無駄にはならないでしょう。

大事なのは次のアクション

中退して気持ちが落ち着いたら、とにかくいけないのがインターネットで調べるだけ調べて、何も動かないということです。インターネットがこれだけ普及してしまった現代において、インターネットで調べることを「何かした」と思ってしまいがちですが、実は調べただけでは何も前進していません。

何かのアクションを起こしてみると事態は動くことが多いので、ぜひやりたいことが見つかったらアクションを起こしてみてください。

やっぱり高卒資格は欲しいなと思ったとき

通信制高校や定時制の高校の資料請求をしてみましょう。そのあと大学へ行きたい気持ちがあれば、高卒認定資格などがリーズナブルに取得できる通信教育もあります。資料請求はパソコンやスマホで簡単に行えますから、まずやってみて、届いた資料を読んでみることが第一歩になるでしょう。

高卒資格が欲しいと思ったときは、なんのために高卒資格が欲しいと思っているのかしっかり自分に質問してみましょう。大学へ行きたければ高卒認定資格、高卒の資格が欲しい場合は通信制高校など、目的に応じて選ぶと「しまった!」ということが後でなくて済むでしょう。

やっぱり働きたいなと思ったとき

いきなり正社員というのは中退者には少し難しいので、もし今までに働いたことがない場合はアルバイトから始めるとよいでしょう。家の近くで働きたい場合は、家の周りの商店街などを歩いてみて実際に張り紙のある求人を探しましょう。

家や、高校の学区から少し離れたところで働きたいという場合には求人雑誌や求人サイトを参考に、アルバイトで高校生可が条件に入っているところを探しましょう。フリーター可というのは、最初からフリーターを探しているところなので、社員登用は難しいかもしれません。できたら「社員登用あり、高校生可」という条件のところを探すとよいでしょう。

高校は、人生の中のほんの3年間にすぎません。回り道しても人生は長く続きます。納得のいく人生を送れるように、目的に応じていろいろな選択肢があるよ、ということを知っておきましょう。

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