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不登校でも通えるフリースクールとは?学費はいくら?

フリースクールとは不登校など学校に通えない事情のある子の通うスペースです。公立のものはなく、すべて私立で、塾と同じ扱いです。フリースクールの利用率は少なく、不登校の子に占める割合は3%程度に過ぎないそうです。

フリースクールってどんなところ?

フリースクールは、不登校を経験した生徒のための学校以外の「居場所」として認知されています。もちろん勉強も教えてもらえます。公的施設はなく、私立の学校が母体になっている場合と、完全に民間の個人やNPOなどが母体になって経営している場合があります。

理解のあるスタッフで構成され、子供たちにとって安心できる場所として機能しています。ですが、2015年度には12万6000人を超えるといわれる不登校者に対し、フリースクールの団体は全国に400~500しかありません。単純計算すると、各都道府県にそれぞれ10個ずつの計算になります。

不登校を経験した人は、あまり遠方への通学が得意ではありません。引きこもりの子供も支援対象になりますが、引きこもりの経験がある子ならなおさら遠くの場所へ通うことはエネルギーを使うことになります。そのため、近隣にあること、あるいは寮を持っていることなどが条件となるため、フリースクールに通うという選択自体が少ないと考えられています。

義務教育だと、フリースクールに通った日を「出席日数」に振り替えてくれる場合もあります。学校には通えなくても違う場所には通えたり、クラスメイトとは顔を合わせたくなくても、年の違う仲間と毎日会うのは平気だったり、という子たちがフリースクールに通って勉強しながら社会性を身に着けていきます。

サポート校とどう違うか

学校に通えない子のためにあるもう一つの勉強の場がサポート校です。サポート校は、各学校と提携して勉強のわからない子に勉強を教えることを目的としています。

フリースクールでは、勉強を教えるというよりも社会の中で家以外の居場所を作るという目的のほうが大きいため、まず通うことが第一とされます。そこで行うことは勉強だけではありません。まず通うことが大事なのです。

フリースクールでの過ごし方はさまざまです。民間や個人が行っているところだと、家事などを一緒にやったり、庭仕事や畑仕事を一緒にやったりして体を動かしたりなどということもあります。来ている子たちとゲームをしたり同じ部屋でくつろいだりなど、スクールという名前よりもむしろ集まる場のような感じで、誰かの家に遊びに行っているような感覚のところがほとんどです。

サポート校のゴールは「高校の課程を3年間で卒業する」ですが、フリースクールのゴールは「学校へ通えるようになる」ことだったり、「共同生活ができるようになる」「人間関係が上手になる」ことだったりします。

あるフリースクールの一日

実際に私がボランティアとして手伝いに行っていたフリースクールの一日をご紹介します。

朝、スタッフが集まってミーティング。毎日通ってくるスタッフから週に1日しか来ない学生ボランティアまでさまざまです。個人の方が経営しているフリースクールでしたので、民家を改築して使っていました。広い庭には花が植えてあるスペースと畑になっているスペースがあります。

9時ころから通学してくる子がいます。9時以前の通学は受け入れていません。なぜかというと、8時台の通学ではもともと通っていた学校の生徒と通学路であってしまう可能性があるからです。このフリースクールに通ってきている子はみな不登校の子です。いじめが原因で引きこもっていた子もいます。

いじめが原因の場合は同級生にまず合わないことが大事です。そのため、通学時間は通常の学校よりも遅いのが普通です。一応10時から始まりということになっていますが、開始時間は人によってまちまちです。10時にちゃんとくる子もいれば、夕方になってからでないと通学してこない子もいます。

10時になると日課が始まります。まず、掃除から。掃除、庭仕事、畑仕事など、それぞれのやりたいことに応じて決められたルーティンを行います。家事から始めるルーティンですが、これはきちんとリズムの取れた暮らしをするために考えられたものです。

ルーティンが終わると思い思いの部屋で過ごします。漫画が置いてある部屋で寝転がって漫画を読む子、友達と対戦ゲームで楽しむ子、スタッフとおしゃべりを楽しむ子などもいます。11時になるとキッチンで食事作りが始まります。スタッフが中心となって、食事当番の子、キッチンが居場所の子などが手分けして手伝います。

午後はフリータイム。勉強部屋となっている部屋は二つあります。ひとつはダイニング。昼食を片付けた後、そこで勉強する子たちがいます。もうひとつは勉強部屋。塾の自習室のように仕切りがある机が4台ほど並んでいます。人と一緒に勉強したい子はダイニングへ。一人で勉強したい子は、顔を見られない自習型の勉強部屋へ行きます。

もちろん、勉強しない子もいます。朝からやっている対戦ゲームには、さらにもう一人加わって対戦が続いています。キッチンではボランティアの女性に編み物を教わる子も。庭に出る子もいます。そしてみんな好きな時間に帰っていきます。学校の下校時間と会わないように、お昼が終わったらすぐに帰る子もいます。夕方帰る子もいます。19時には全員退館と決まっています。

今日もひとり保護者の方が相談と見学に訪れました。相談に来てもらって、入学が決まったからといって、すぐにその子が来られるわけではないでしょう。ですが、入学が決まればスタッフが家に訪問して、まずその子と仲良くなることから始めます。一緒に通学してくることもあります。フリースクールでは個人の意思を尊重し、もう一度学校に通えるように援助していきます。

フリースクールの学費

フリースクールの学費は場所によってとても個人差があります。ですが、全国平均はこのくらいです。

入学金:53,000円
授業料:月33,000円

これはあくまで平均なので、入りたいフリースクールがある場合には必ず事前にご確認ください。私がお手伝いしていたところは

入学金:10,000円
授業料:月額30,000円
施設費:月額5,000円
給食:1食500円
でした。教材は自分で家から持ってくること、筆記用具なども自分で持ってくることなどが決められていたため、他にかかる費用は行事費(餅つきや遠足などのときの実費)程度でした。

フリースクールにいじめはないか?

私が手伝っていたところでは、いじめはありませんでした。いじめをするほど密な人間関係がなかったというのもあるかもしれません。お互いにお互いがいることは認識しているものの、あまり干渉しあわないという暗黙の了解がありました。

スタッフの数も多く、子ども2人に大人1人くらいの割合でしたので、目が行き届いていたためいじめなどに発展しにくかったのかもしれません。喧嘩は起きることがありました。

喧嘩が起きると、喧嘩にトラウマのある子はさっと席を立って部屋を移動します。大人はそばにいて、手が出そうになる時にしか仲裁に入りません。好きなだけ喧嘩をさせて、収まった後に当事者たちとスタッフひとりでミーティングを行うのが常でした。

いじめで苦しんでいた子たちは傷つくことに敏感ですので、新たな人間関係を広げていくにはとてもエネルギーが必要なのです。人間そのものが嫌になってしまっているケースも多く、自己否定感が非常に強い子もいます。

自己否定感の強い子に「あなたは悪くない、あなたは大丈夫」と言い続けることがいいかどうかは個人によって違います。家から出ることが最初はできない子もいます。どのような対応がいいのかはスタッフの経験と勘によって決まるといってもよいと思います。

人間そのものが嫌になってしまっていたり、自己否定に陥ってしまった子たちにまず必要なのは心の休息です。フリースクールは、心の休息をとりつつも少しずつ前進していくという緩やかなケアを目的として設立されているところが多いようです。

フリースクールもいろいろあり、個人経営のところも多いので考え方も千差万別です。全国に400件~500件くらいしかありませんから、なかなか比較検討するというわけにもいかないかと思いますが、お近くに通えるところが幸運にも何か所かある場合にはぜひ実際に行って経営者と話し、見学して検討してみてください。

フリースクールに通う上の注意

フリースクールは学校ではありません。あくまで塾と同じ扱いなので、卒業したら高卒になるなどの制度はありません。フリースクールに通った日数を通学日数とカウントしてもらえるかどうかは、在籍している学校とフリースクール間の打ち合わせによって決まります。

フリースクールへの通学を出席日数とカウントしてもらえるかどうかは、フリースクールと学校の信頼関係によるといってもよいでしょう。民間経営のところが多いこと、学習要素が弱いことを理由に、フリースクールの出席日数を学校の出席日数にカウントしてもらう制度はありません。結びつきも弱いのが事実です。

これからどのような形になっていくかはわかりませんが、フリースクールはあくまで社会復帰を目指す間の居場所です。入所を考えている方は、事前にきちんとその点を踏まえておくとよいかと思います。

こんな人におすすめです

家から外に出ることが困難な人におすすめします。逆に、家から外に出ることが平気な方にはフリースクールはおすすめしません。その場合は高卒資格も取れる通信制高校に通うことをおすすめします。フリースクールはたとえ3年間毎日通ったとしても高卒資格は取れないからです。

人間関係に自信が持てなかったり、同世代の人と交流するのが怖い場合にもフリースクールはおすすめです。スタッフも含めてさまざまな年代の人がいるのがフリースクールの魅力です。縦のゆるいつながりのなかでゆっくりと学校への復帰をめざしてください。

フリースクールを決めるにあたっては、保護者が主導するパターンが大変多いです。なぜなら、本人は外に出られないケースがほとんどだからです。ですが、もし可能でしたら人とあまり会わない時間に親子で訪問できるのが理想的です。

納得いかない場所に通いなさいと言われても、なかなか承諾しにくいものです。親だけで見学に行くよりも、スタッフさんに家まで来てもらって一緒に説明を聞くほうが良いかと思います。頼めば応じてくれるフリースクールもあります。

よいフリースクールを見つけて、元気に学校へ通える日が来ますようにお祈りしています。

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