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アスペルガーの高校受験はどうする?勉強の仕方はどうする?

アスペルガーのお子さんは基本的に学習能力は平均かそれよりも優れているといわれています。これには諸説あります。そんなアスペルガーのお子さんが高校受験するときの勉強の仕方をまとめてみました。

基本的に勉強は心配なし

アスペルガーのお子さんはコミュニケーションにこそ難ありですが、記号や図形に対する記憶力が優れているという説が優勢です。興味を持ったものにはのめりこむという特性もあるため、むしろ勉強に向いている、東大のような難関大学にも一定数アスペルガーのお子さんがいらっしゃる…というような記載がネットにたくさんあります。

アスペルガーは一言で総括できない発達障害です。ですから、アスペルガーの中にも勉強が苦手なお子さんがいらっしゃるかもしれません。記号や図形がまったく理解できないというタイプのお子さんもいることが考えられます。

基本的に、アスペルガーのお子さんは知能に遅れがあるわけではありませんので、勉強は普通と同じような対応で問題ありません。ですが、極端にできないものがある、科目の差が激しすぎるということがあったら一度疑っていただきたいことがあります。それは、「学習障害(LD)」です。

学習障害は発達障害の一種です。特定の分野に限定されることもあり、広範囲になる場合もあります。たとえば、抽象的なものの理解が難しいとか、ある特定の科目などが他の科目に比べておかしいほどできない、などの様子が見られたりします。

発達障害はだれしも持っているといわれています。上記で述べたような科目間の得意不得意、同じ科目の中でも計算問題は好きだけれど図形問題は苦手などの偏りはみなさん経験があることだと思います。学習障害は、苦手が顕著な状態のことです。学習障害をお持ちの場合は、持っている特性に対しての対処法がそれぞれありますので、ぜひ担当医に相談してください。

アスペルガーの子が勉強ができないとき

アスペルガーのお子さんで「勉強ができない」という状態の場合は、絶対に「頭が悪い」「アスペルガーだから」ではありません。「勉強のやり方を知らないから」です。

たとえば、宿題が出されたとします。アスペルガーのお子さんに、「100ページから102ページまでを予習してきてね」と言ったとします。おそらく、何もしてこないことでしょう。でもそれは、やる気がなかったからではありません。「どうやったらいいかわからなかったから」なのです。

「100ページから102ページまでを予習してきてね」というとき、「今日やったところを復習してきてね」「この単元が弱いみたいだから勉強してきてね」のような呼びかけはすべて彼らを混乱させてしまいます。教科別にどのようなアプローチがわかりやすいのかまとめました。

ただ、これにも個人差があります。以下に当てはまらないところにお子さんの特性がある場合はいろいろと試してみてください。キーワードは「具体的に」です。

国語

◆予習の時
・何ページから何ページまでのページの下に書いてある新出漢字を5回ずつノートのここからここまで書いてきてね。
・何ページから何ページまでを3回音読してきてね。

◆復習の時
・今日やったノートのここからここまでを教科書のここからここまでのそれぞれ対応する文章に書き込んできてね。(この方法は口だけではなく、必ず例としていくつか一緒にやってみることが必要です)

◆個人学習の時
・問題集の何ページから何ページを解いてきてね。間違った問題には、問題番号にバツをこのくらいの大きさで書いてね。
・わからない問題があったら、この問題のこの部分(実際にキーワードに線を引く)を本文の中から探して、蛍光ペンでマークしてみてね。

※一概にまとめることはできませんが、私が今まで見てきた中には国語の長文問題が苦手な子が多いように感じます。特に小説問題の読み取りなどに苦戦する子が多いようです。その場合は

・この単語と同じ意味を持つかな、と思うところに蛍光ペンでマークしてみてね。
のような言い方をして、感情を表す語彙そのものの数を増やしていこうという試みが有効でした。

数学

◆予習の時
・何ページから何ページまでの問題をノートに解いてきてね。間違えてしまった問題にはこのくらいの大きさのバツ印を、分からなかった問題にはこのくらいの大きさのはてなマークを書いてきてね。

◆復習の時
・今日間違った問題をノートにもう一度やり直してみてね。わからなかった問題には教科書にもう一度このくらいの大きさのバツ印を書いてきてね。今日やったときはバツだったのに、おうちでやってきたらできたという場合はバツの上に丸印を書いてきてね。

◆自主学習の時
・この単元のここからここまでを自分で解いてみてね。わからなかったら、この例題の数字をこの問題と同じに変えて考えて見てね。

※私は数学を教えるときは、必ず間違った問題にバツ印を書かせています。1度間違ったらバツがひとつ、2回目に間違ったらバツが2つ…とどんどんバツが積もっていくので、試験前にはバツが多い問題から攻略すればよい、ということになるからです。自分だけのレベル別問題集を作るイメージです。

試験前になったら、「明日までに5バツの問題を解いてきてね」という言い方をします。「5バツの問題を攻略しよう」とバツの大きい問題から教えることができるので、一番の苦手分野が克服できる率が非常に高く、これはおすすめの方法です。

英語

英語は少し特殊です。単語を覚えることや動詞の変化を覚えることはむしろ得意なので、「長文を読む」ためにどうするかを教えなければなりません。

◆文法問題
文法問題は大好きな分野だと思います。これは優し目の問題集を繰り返せば簡単に身につくのではないでしょうか。私は中学生にも最初に5文型(通常のカリキュラムでは高校1年生で習います)を教えます。文章の構造をしみこませたうえで、それぞれの単語がどこに入るものかを整理していったほうが英作文などの点数は上がるように感じています。

◆長文問題
本文と合っているものを選びなさい、という問題よりも、「この文章は何のことを言っているのか簡単にまとめて答えなさい」というたぐいの問題に弱いような感じがします。

アスペルガーのお子さんは、言葉の選び方が適切でないことが多く、英語の多義語に弱い子が多いような気がしています。訳しなさい、という問題も苦手です。これは志望校によると思いますが、まず志望校の問題を分析し、これを全部落としても合格点には達するだろうと判断した場合は選択問題だけに注力することもあります。

もし、こういった問題ができないと合格点に届かないと判断した時にはもちろん対策をします。対策は日本語での「簡単にまとめる」という練習です。国語でも要約文の問題は出ますが、2,3行の文章を一言で表す練習をする、ということを繰り返していくうちにできるようになる子が多いように感じています。

これらは一例にすぎません。数学を教えていて、数の概念自体が弱い、と気が付いた場合にはまず数を体感するところから始めてもらいます。「4」をリンゴ4つ、アリ4匹、ボール4個、のようにイメージできないタイプのお子さんには(そういったお子さんは「4」はただの記号に見えてしまうようなので、4を半分にしてね、という言い方をすると「2」と「1」のように答えることがあります。12-7を計算してもらうと答えが1になったりすることもあります)全ての数字を碁石、おはじき、ピーナッツなどで体感してもらうのです。

たくさんの数字はたくさんの量がある、ということに気付いてもらえたら次の段階です。というように一人一人の特性に合わせて進んでいかないといけないでしょう。大教室の授業では退屈を感じていると思います。高校へ進学しても同じことが起きることも予想できます。

実感として、1対1で教えたときに「どうしてできないの!」となったことはありません。むしろ、大教室で数十人を教えていると「どうしてできないの!」ということが良く起こるように感じます。

これは高校へ行っても続くことでしょう。退屈を感じると立ち歩いてしまったり、まったく関係ないことを考えるのでそれが口から出てしまったりします。これはアスペルガーというよりも多動傾向だと思いますが、これが発動すると「困った人」と見られてしまいます。

少人数制のすすめ

有名人や何かを成し遂げた人、意外な発明をした人にアスペルガーが多いというのは有名な話です。アスペルガーという特性は勉強の面で考えたらかなりプラスだと私は考えています。

ですが、その能力を開花させないと「困った人」とみられてしまうのはなかなかつらいところです。大人数の環境だとその特性の良さが出にくいように感じますので、できるだけ少人数のところ、勉強に関しては1対1で教えてもらえるところがいいのかなと思います。

かなり人数が少ない可能性があるという点では、通信制高校の通学コースを選ぶとよいのではないでしょうか。通信制コースだと、社会性を育てるチャンスに恵まれません。通学そのものには問題はないはずなので、むしろ通学コースを選び、少ないクラスメイトとコミュニケーションすることを学んでいったほうが良いのではないかと思います。

社会的行動が苦手だからといって、それを避けて通れはしません。ですが、苦手だからといってがっちりスパルタで固めるのも逆効果だと思われます。苦手なことを少ない人数できめ細やかに見てもらえる、という意味では通学コースが条件にぴったりです。

通学コースもいろいろあります。中にはお子さんに合わないタイプの大教室制もあったりするかもしれません。通学時間と相談しながら、あまり遠くないところでゆっくり自分のペースで学べるとよいですね。

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