全日制、定時制、通信制、という高校の種類は何がどのように違うのでしょうか。
学校に通う年数、時間帯、学校生活、授業内容、金銭的な負担についてまとめました。
記事の目次
全日制高校
朝登校して夕方下校する、いわゆる普通の高校です。
学校に通う期間
3年間
高校は義務教育ではないため、3年で卒業しなければいけないという決まりはありません。
単位を落とせば(5段階評定で1をとった場合)留年になります。
朝登校して夕方下校するタイプの学校に、全日制とは別に単位制高校もあります。
こちらは単位を落とした場合に留年はしませんが、取れなかった単位については翌年以降取らなければなりません。
学校に通う時間帯
最低週5日、朝8時半ころ~午後16時ころ。
学校生活
学校生活には部活動や行事、委員会活動なども多く、部活動などフルに参加すると終わるのは19時、20時などになることもあります。
また、部活動などを特に熱心に行っている学校は寮を持っているので、1日丸ごと学校と部活だけで終わるということもあります。
授業内容
進学校では大学入試に合格することを最終目標とします。
授業時間のほかにも、夏休みなどの長期休業期間には学校で夏期講習などを設けたりします。
就職を最終目標とする学校では、職業体験などを積極的に取り入れている学校が多いです。
全日制高校の中でも工業科、商業科などを設けているところもあり、そこでは工業科なら電動工具を使えるようにするための授業なども豊富に設けられています。
金銭的な負担
公立学校の場合は月額1万円以内で受けられます。
私立高校は学校によって様々ですが、月謝ではなく年払いのところが多いです。
入学金30万、授業料年額60万~100万くらいのところが多いです。
定時制高校
昼間働いて夜学習する人のための学校です。
ですが、そんな勤労学生は最近減少傾向にあります。
昼間の学校になじめない生徒が通うケースが多くなっているようです。
学校に通う期間
4年間
夜間に行われる定時制高校は授業時間が全日制高校よりも確保できません。
そのため、最低卒業年数は4年間となっています。
最近では昼間に設置された定時制高校も増えてきました。
朝8時半からの1部、昼13時からの2部など2部制、3部制を設けているところもあります。
そういったところでは授業時間を確保できるため、3年間で卒業できる定時制高校もあります。
学校に通う時間帯
夜間定時制高校の場合
最低週5日、夕方17時半~21時(1日4時間)
定時制だけの高校というのはありません。
昼間全日制の高校が夜間にも定時制を設置しているところがほとんどです。
そのため、17時までは全日制高校の生徒が高校を使い、5時半から定時制高校の生徒が高校を使うという仕組みになっています。
このため、定時制高校を併設している学校では17時までしか部活を行うことができません。
最近では昼間行われる定時制高校も増えてきました。
その授業時間は学校によって違いますが、最低週5日通わなければならないところ、1日4時間制であるところはほぼ一緒です(全日制と同じ年限で卒業できるところもあります)。
学校生活
全日制の高校よりも部活・学校行事は少なく、校則も最低限のことしか決められていません。
制服もなく、仕事の都合でバイクや自動車を通学手段として認められている学校もあります。
定時制に通う子は昼間勤労しているということが前提のため、仕事をしているのだから一人前、という扱われ方をします。
授業内容
大学に進学するよりも就労することを目的とするため、進学目的の授業は受けられません。
一人前の大人として扱われますので、授業も出てくるようにと熱心に言われたりなどの生徒指導は全日制と比べて弱いようです。
自主性を重んじるところがほとんどなので、勉強したい子はする、したくない子はしない、それも本人に任せるという学校も少なくありません。
これは決して定時制が「楽だ」ということにはなりませんので注意してください。
定時制高校から大学に進学する生徒もいます。
金銭的な負担
私立の定時制高校はありません。
公立の定時制高校の月謝は月額3000円前後です。
定時制高校は夜食という給食が出るところもありますので給食費があるところはこれが加算されます。
通信制高校
学校に通うことではなく、自宅で学習することを前提としている学校です。
学校に通う期間
3年間
家で勉強をして単位を取っていくことを前提としている高校です。
高校自体は週5日開いているので、毎日学校に通って授業を受けるもよし、学校に通わないで家で学習して通信添削の課題を出すもよし、という自由度の高い高校です。
完全に自宅のみで学習をすることはできません。
年に何度か対面指導(スクーリング)があり、スクーリングに出席することで単位が認められるためです。
学校に通う時間帯
自由
授業に参加する場合は授業時間内(学校によって異なります)。
スクーリング以外の授業について、通う日数と単位取得は関係ない場合もあります。
演技指導やダンスなどの芸術科目がある通信制高校もありますが、それは自宅だけで学習することはできないため、学校に通う日数が単位と結びつきます。
学校生活
部活動や学校行事はほとんどありません。
授業内容
高卒単位を取るのに必要な授業科目があります。
最近では芸能コースのように、声優の授業をするところ、ボイストレーニングなどを行う、ダンスのレッスンをするなどのプラスアルファがついている通信制高校も増えてきました。
金銭的な負担
公立の通信制高校はありません。
私立の通信制高校の学費は学校によって様々ですが、ただ単純に高卒資格を取るだけの学校ならば年額40万円ほどです。
芸能コースがあるようなところでは年額100万円~120万円ほどと私立高校と同じくらいの値段と考えておけばよいようです。
あまりコースがない学校では、設備費が比較的かからないためその分私立高校よりも安くなるところもあります。
自宅学習メインのところは安め、通学メインのところは普通の私立高校と同じ、と考えておくとよいです。
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